甘味のお楽しみ
お弁当を開けると、「わあ~! 何から食べようかな」って迷うことが多いもの。お弁当の食べ方や食べる順番はいろいろあるけれど、やっぱり最後は「甘味」で仕上げたい。
ベルの会のお弁当にも必ず甘味が入るから、楽しみにしてもらえます。
おいしいお米をガスで炊くとふっくらとした味になりますし、地元の魚や肉、そして野菜を使った料理も家庭的な味で滋味にあふれています。どれもほんとうに最高! では食事を全部いただいて、「もうお腹いっぱい」という時にでも、甘味はなぜ食べられる…。
そんな私は、自分が好きというだけで、和菓子づくりにハマってしまいました(笑)。
いろいろなお菓子のレシピ本を見ては、次は何を作ろうかなと迷ってしまいます。
実際のところ、ベルの会の松花堂弁当の中に、その「甘味」を入れて全体のお食事を引き立てることができるかしら? おいしそうだけれど、これを100人分作れるかしら?…そんなふうにも悩みます。
作業時間は約2時間。
朝10時に作り始めて12時には100個の「甘味」を仕上げるのが毎回のスケジュール。時間内に作れるかしら!? ドキドキです。
春は、草餅、道明寺の桜餅、うぐいす餅、梅餅、桜のかるかん、柏餅。
夏は、黒糖まんじゅう、紫芋のきんとん、マーマレードと小豆の水羊羹、キウイの淡雪羹。
秋は、吹雪まんじゅう、いも蒸し羊羹、かぼちゃまんじゅう、ぶどうの甘露。
冬は、ワインの酒まんじゅう、くるみもち、長月、栗の茶巾しぼり、花びら餅、じょうようまんじゅう、カフェしぐれ、栗かのこ。
例えば、春に作る「梅餅」。まずは餅粉に水飴などを加えて求肥を作り、中に白あんを包み込みます。 優しい梅色の、花びらの形に整えます。真ん中に卵の黄身で一気に梅の花に仕上げましょう。
できあがると、かわいくて愛おしくて仕方ありません。
夏に作る「キウイの淡雪羹」は、ペースト状にしたキウイや寒天液、卵白のメレンゲを混ぜ合わせます。冷蔵庫で冷やし固めると、薄黄緑色の涼しいお菓子に。食感も程よく酸味も心地よいのです。
セルクル(深めの丸抜き型)でまぁるく型とりし、小さな扇型のキウイを飾ると一気に夏の気分です。
秋に作る「いも蒸し羊羹」は、「なんちゃって栗蒸し羊羹」です。サツマイモをお花の形に型抜きして、羊羹の上に飾ります。栗蒸し羊羹よりも安上がりですが、おいものおいしさが感じられます。
冬に作った「花びら餅」は、後にも先にも一回きり。事前にゴボウの蜜煮と味噌あんは作りました。白の大きいサイズの求肥と薄桃色の小さいサイズの求肥を2枚重ねてから味噌あんを塗り、ゴボウの蜜煮を2本まき半分に折り包みます。
お正月らしいお年始の甘味。完成すると身も引き締まります。
甘味を作るときはいつも、「おいしくなりますように! おいしくなりますように!」と願いながら、またお弁当に入れる時も「おいしくなっていますように!」とひたすら願っています。
これもお弁当作りの、ひそかな楽しみなのです。
コメント
このページを開いたら、お弁当箱の蓋を取った時のように思わず歓声をあげてしまいました。彩り豊かで、おいしそうだこと!!・・・と、あったあった、真ん中に。可愛い花びら餅! 随分手が掛かりそうですが、私などお菓子を買ってきて食べても、それを自分で作ろうと思わないですもの。そこが違いますね。そのチャレンジ精神にただ感心します。どうぞこれからもご精進を!
火曜日の甘味処Aさんのお菓子はいつもほんわかしていて見て優しい気分になり食べて幸せ気分いっぱい!これはAさんの細やかな気持ちがいっぱい入っているから。何より彼女が楽しんで利用者さんのことを考えて作るからだと思います。優しい色遣いの和菓子が出来上がり。材料も吟味してそろえていつも10時少し前に仕事を始めお昼頃にはきちんと完成。ベルの会に、こんなすてきなお菓子職人さん(?)がいるのです。
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