ふたを取れば、パッと明るいお弁当
2008年07月24日 09:00
お弁当づくりに携わって10年にもなりますが、なかなか満足したお弁当はできません。ですが、喜んでくださる人たちがいらっしゃるという幸せは常日頃感じております。
100個前後の松花堂弁当を一度に作るとなると、材料も味つけもレシピどおりには行きません。毎回、みんなで模索しながら作っています。ベルの会のお弁当は、味つけなどに関するマニュアルがありませんので、ボランティアで作ってくださる専業主婦の方たちの「家庭の味」が喜ばれているのかもしれません。
お弁当のなかみでは、特に昔からの伝統的おかず等が好まれています。
きんぴら、ひじき、切り干しダイコンの煮物、煮豆、天ぷら、ちらし寿司、野菜の煮物等々。
また、おとしよりが対象ですので、硬いものは避け、魚の骨は一本一本毛抜きで取り除きます。野菜も食べやすい大きさに切ったり、注意を払って気持ちよく食べてもらえるように気を配っております。
しかし、時には「硬かった」「からかった」「おいしくない」など、いろいろな苦情が届くこともありますが、同じお弁当を食べても「おいしかった」と言ってくださる方もなかにはいらっしゃるので、味つけや好みは千差万別、ほんとうに不思議です。
だから、こうして続けられるのでしょうね。
専業主婦たちが立てる献立ですので、足りないこともありますが、野菜を多く、そしていちばん注意するのは、ふたを開けてパッと明るく、きれいで食べたくなるような彩りです。なかなか献立によっては難しいことですが、さまざまな食材(旬のものなど)を組み合わせて、おとしよりの食欲を増進するようなお弁当を、と努力しております。
(E.S)
コメント
本当に、食べ物の美味しい、美味しくないは10人10通りですが、調理場で何人かが味見をして「あ、これ美味しい!」を言われると「よし」とひとまず思いますね。でも料理の種類により、皆様が召し上がる頃まで「美味しい」が続いてくれるか・・・それが一番気になるところです。蓋を開けてまずは目に美味しい、お口に運んでやっぱり美味しいを目指してまだまだ精進してまいりましょう。
ある料理の先生から聞いたことですが、生徒さん一人、一人がが同じレシピ、材料、調理場で作ってもそれぞれ味が異なると。
ベルの会でも献立担当者は献立を考え、レシピを検討しても、調理は多くの方とともに作るので、担当者の意思が伝わらないことも多く、こんなはずじゃなかったと思うこともありますね。しかし反面それぞれの得意技が生かされて思った以上の出来になることもあります。こういうことで様々な家庭の味が盛り込まれたお弁当となり、長続きしているのですね。マニュアルどおりに作られた市販のお弁当はどうしても飽きが来ます。それとは一味、二味異なるおいしいお弁当を作っていきましょう。
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