おいしくなーれ!
今までいろいろな方のところへたすけあい型ヘルパーとして訪問しましたが、今回のご利用者の方は胃の手術を受けられた方でそのうえ糖尿病の心配もあるという、食事にはかなりの制限がある方の食事づくりの依頼です。
1年ほど前に訪問していた方は、いろいろと好き嫌いの激しい方でした。味つけの好みはご出身の地方によっても違います。「まあまあかな」とおっしゃっていただくまでにずいぶん苦労したことを思い出しました。
今回は同じヘルパーのSさんと交代でうかがうことになり、病院から渡された食品の禁止リストをいただいて、それと見比べながらいろいろな本を参考にして1週間分の献立を立てました。この献立は、介護をしておられるご主人にもお渡しして、たいへん喜ばれました。
前日にお電話をして、必要なものを買ってから訪問します。でも苦心して作ったメニューに、「おいしかったわー」のひと言をいただくと、大変さも吹き飛びました。
ある日の献立です。
◆主食:ご飯または麺
◆主菜:鳥ひき肉の野菜あんかけ
<材料(二人分)>
●鳥ひき肉 200グラム
●絹豆腐 1丁
●にんじん 40グラム
●青菜類(ほうれん草、小松菜など) 1/2把
●だし汁 1カップ
*きのこ類は消化が良くないのでやめたほうがよい。
<作り方>
●絹豆腐はしっかりと水分をとっておく。
●鳥ひき肉と豆腐をそぼろ状に炒める(油は使わない)。
●にんじん、青菜を油少々で炒め、塩コショウをし、だし汁に片栗粉でとろみをつけてひき肉と豆腐のそぼろの上にかける。
◆副菜:ほうれん草の煮びたし
<材料(二人分)>
●ほうれん草 20グラム
●しらす干し 20グラム(お好みで)
●だし汁 1/2カップ
<作り方>
●ほうれん草は食べやすい大きさに切る。
●だし汁に醤油少々を入れ、しらす干し、ほうれん草を入れてさっと煮る(ほうれん草はゆでておいて煮汁に入れてもよい)。
◆汁物:じゃが芋のスープ
<材料(二人分)>
●じゃが芋 1個
●長ネギ 1/2本
●コンソメ 1個を1と1/2カップの水で溶いたもの
<作り方>
●じゃが芋は好みの型に切り、コンソメ・塩・胡椒で味をととのえた汁で煮て仕上がりに小口切りにした長ネギをのせる。
お元気になられたように見受けられましたが、いまこの方は少し体調を崩されて入院されています。一日も早いご回復をお祈りいたします。そしてまた、「おいしかったわー」の声をお聞きしたいです。
余談ですが…、「おいしくなーれ、おいしくなーれ」と作り、最後に味をみて、その素材に合った自分なりの隠し味を加えると、お料理全体が生きてくるように思います。
コメント
訪問調理は調理用具、調味料が自分の家と異なるため、馴れるのに時間がかかり、そこへ食品の制限があると長年家庭料理を手がけていても大変ですね。
「おいしくなーれ」 毎日義務でして入る家での料理作りもこういう気持ちを込めてやってみましょう。楽しくできますね。
ヘルプする側の大変さや、される方との信頼関係を築いていく過程がよくわかり頭の下がる思いです。心を込めて作りおいしかった!と言われた時の喜びは一入のことと思います。利用者の方もヘルパーさんの来る日を楽しみに待っていることでしょう。。私もお弁当を作るとき、家族の食事を作るとき「おいしくなーれ」を唱えて作りたいと思います。
Hサンみたいなヘルパーがやって来て、制限の多い病後のお食事を「おいしくなーれ」と作ってくださる、なんと心強いことでしょう。私の父も楽しくお喋りの相手をして下さり、夕食を作って、「今夜もおいしく召し上がれ!」と励まして帰ってゆかれるヘルパーさんにどれほど助けられたことでしょう。この利用者の方も、また元気を回復され、Hさんのお料理を楽しむことが出来ますように!!
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