研修会に参加して
先日、「精神障害者の介護とその対策」という研修会に参加しました。そこで学んだことを少しお話しいたしましょう。
2005年に障害者自立支援法が成立したこともあり、立ち遅れていた精神障害者に対するホームヘルプサービスの充実が期待されています。
精神障害というと、思春期に発病する統合失調症・躁うつ病・パニック障害などさまざまな疾患がありますが、最近では、うつ病のように男性10%、女性25%が生涯に一度以上発病するといわれるなど、身近な病気です。
精神障害者へのかかわり方の基本として、有名な「バイステックの七原則」があります。バイステックはアメリカの社会福祉の研究者です。
(1)一人の個人としてとらえる。
(2)感情表現を大切にする。
(3)共感できるようにする。
(4)価値ある人間として受け止める。
(5)一方的に非難しない。
(6)自己決定を促し尊重する。
(7)秘密を守り信頼感を醸成する。
これらの原則をもとにホームヘルパーはどのようにかかわればよいのでしょうか?
まず一つは、利用者の話をよく聞き、こちらが指示的な対応はしないことだと思います。安心してサービスを受けていただけるように信頼関係をつくることが大切だということです。
また、「よいとこ探し」が大切。よく観察して、ほめ言葉で伝える。ほめ上手になることは、とても重要です。もっともこれは、どんな対人関係にも応用ができると思います。
研修会の最後に実習がありました。
参加者が二人ずつ組になって、「1分間ずつ相手をほめてください。ほめられた人は心に残ったことを覚えていてください。あとで発表してもらいます。さあよいとこ探しをしてみましょう」というものです。
知り合い同士は照れがあり、過去の経験や内面的な表現になりますが、初対面の場合、「やさしそう」「笑顔がすてき」「スタイルがいい」など主にビジュアル面が中心に。
なかなかおもしろい経験でした。
コメント
肉体の病気も精神の障害も誰もなりたくてなるわけではなく、本人が一番つらいもの。偏見を持たず特別視せず、「関わり方の基本」とても勉強になりました。複雑な人間関係や社会の中での身の置き方、難しいことが沢山あります。互いに思い合って相手の良いところを見て生きたいものですね。
心を病んでいるといないに拘わらず、7原則って大事です。子供を育てる時だってこれは通用しますものね。7つの文章を全部ひっくり返して唱えてみると・・・ほらほら、みんな普段やっていることだったりしますよ!
十年以上も前ですがヘルパー研修を受けた時に、「受容」ということの大切さを学び、目からうろこが落ちたような気がしたのを思い出しました。どんなに善意でも相手にとっては迷惑なこともありますね。相手が何を望んでいるか、相手の心に沿ってケアをすることが大切なのでしょう。
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