突然死
2012年12月19日 09:10
【Q】
精神科薬薬物治療中の患者さんは、突然死の確立が高いと聞きます。看護者として、どのようなことに注意すればよいでしょうか。
【A】
世界保健機関では突然死を「瞬間死、または急性症状発見後24時間以内の死亡で、非自然死を含まないもの」と定義しています。精神科薬物療法中の患者さんにも、急性症状からそのまま重篤な状態に移行したり、もしくは死亡したりする人があると聞きます。抗精神病薬と突然死の因果関係は必ずしも明らかではありませんが、投与中の患者さんに心電図異常が引き起こされやすいことは否定できません。抗精神病薬は、末梢性のα遮断作用、中枢性の圧反射抑制、末梢血管拡張作用など、循環器系への作用を有し、長期間にわたる連用時や投与量の増加時に、心筋障害、肝血流の減少、アダムス・ストークス発作を起こす危険性があります。また、同じく副作用である呼吸筋の不随意運動は、致命的になる場合があるので要注意です。
突然死は無症候性経過の症例が多いので、まず心電図の変化に注意を向けることにしましょう。
出典:辻脇邦彦・南風原泰・吉浜文洋編『看護者のための精神科薬物療法Q&A』中央法規出版、2011。