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福祉マイスターへの道 毎日更新

下痢と便秘を繰り返す

【Q】
 私は60歳の女です。お通じがうまくいかず、困っております。
 若い頃から便秘症で悩まされており、薬を飲まずに放置しておくと、ひどいときは10日以上お通じがないこともあります。そのようなときは、下剤を飲むのですが、薬が効き過ぎるのか、逆に下痢になってしまいます。下痢は1日くらいで収まりますが、その後、また便秘となり、便秘と下痢の繰り返しが続くのです。
 最近はほとんどそういった状態が続いており、しかも段々とお薬が効かなくなってきました。薬は、以前は2錠で効いていたのですが、今はそれではなかなか排便できず、結局4錠も飲んでいます。
 薬は出なくなったら飲むのではなく、毎日飲んだほうがよいのでしょうか。でも、そうするともっと薬が増えるのではないかというのも心配です。何かよい方法がありましたら教えてください。

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【A】
 まず、この方の便秘の理由を確認したところ、ご自分で思い当たる理由として、若い頃から便秘だったのは、小学校の教師であったことが関係しているのではないかということでした。現役時代は朝が忙しく、また学校でも子どもの対応に追われて便意を無視した生活が続いていたとのことでした。さらに、卵巣を取る手術を受けてからはホルモンの働きが関係したのか、便秘はさらにひどくなり、45歳を過ぎた頃より下剤を服用するようになったということでした。しかし、その頃は常に服用していたわけではなく、ひどく出ないときだけに限定していたとのことで、野菜などできるだけ繊維の多い食品を食べるように心がけて、ある程度コントロールがついていたということです。
 薬を定期的に服用するようになったのは仕事を辞めてからで、おそらく運動量が急に減ったせいで、どうしてもコントロールがつきにくくなったためではないかということでした。
 また、1年ほど前にご主人が亡くなって一人暮らしになってからは、ついご飯の代わりにそのあたりにあるパンと牛乳で簡単にすましてしまったりするなど、食事のバランスが崩れたことも便秘を悪化している可能性があるようでした。
 便の性状は色も臭いも特に変わったところはなく、出始めは固い便が数個出て、後は柔らかい便となり、最後は水様になるということです。しかし、特にひどい腹痛に悩まされるわけでもないので、今まで特に病院に行ったことはないとのことでした。
 現在は、特に悪いところはなく、ほかに薬は服用していないということです。一人暮らしにも何とか慣れ、特に精神的に不安定ということはなさそうで、ほとんど趣味の園芸と読書のために時間を費やし、家の中で過ごしているとのことでした。
 お話から判断して、下剤を定期的に飲むより、食生活と運動を心がけ、できるだけ排便習慣を再建することを勧めました。まず、ヨーグルトやリンゴ、繊維の多いバナナなどを摂取することを勧めました。また、幸いトイレが洗浄便器ということでしたから、朝食後、必ず便座に座り、排便する前に肛門に水圧をかけて刺激して、肛門を開く反射を誘発することを話しました。これにより、胃結腸反射を呼び戻すと同時に、肛門括約筋を開く反射の利用、さらに肛門出口にある固い便を水分で柔らかくして出しやすくすることができます。その方法を毎日続けても出にくいときは、医師に相談することを勧めました。
 そのほかにも歩くこと、就寝前に腹部を時計回りにマッサージすることも説明し、失ってしまった排便習慣を取り戻すまで続ける努力の必要性を理解してもらいました。
 やはり安易に下剤に頼らないようにすることが、排便ケアの鉄則です。

 まず、この方の便秘の理由を確認したところ、ご自分で思い当たる理由として、若い頃から便秘だったのは、小学校の教師であったことが関係しているのではないかということでした。現役時代は朝が忙しく、また学校でも子どもの対応に追われて便意を無視した生活が続いていたとのことでした。さらに、卵巣を取る手術を受けてからはホルモンの働きが関係したのか、便秘はさらにひどくなり、45歳を過ぎた頃より下剤を服用するようになったということでした。しかし、その頃は常に服用していたわけではなく、ひどく出ないときだけに限定していたとのことで、野菜などできるだけ繊維の多い食品を食べるように心がけて、ある程度コントロールがついていたということです。
 薬を定期的に服用するようになったのは仕事を辞めてからで、おそらく運動量が急に減ったせいで、どうしてもコントロールがつきにくくなったためではないかということでした。
 また、1年ほど前にご主人が亡くなって一人暮らしになってからは、ついご飯の代わりにそのあたりにあるパンと牛乳で簡単にすましてしまったりするなど、食事のバランスが崩れたことも便秘を悪化している可能性があるようでした。
 便の性状は色も臭いも特に変わったところはなく、出始めは固い便が数個出て、後は柔らかい便となり、最後は水様になるということです。しかし、特にひどい腹痛に悩まされるわけでもないので、今まで特に病院に行ったことはないとのことでした。
 現在は、特に悪いところはなく、ほかに薬は服用していないということです。一人暮らしにも何とか慣れ、特に精神的に不安定ということはなさそうで、ほとんど趣味の園芸と読書のために時間を費やし、家の中で過ごしているとのことでした。
 お話から判断して、下剤を定期的に飲むより、食生活と運動を心がけ、できるだけ排便習慣を再建することを勧めました。まず、ヨーグルトやリンゴ、繊維の多いバナナなどを摂取することを勧めました。また、幸いトイレが洗浄便器ということでしたから、朝食後、必ず便座に座り、排便する前に肛門に水圧をかけて刺激して、肛門を開く反射を誘発することを話しました。これにより、胃結腸反射を呼び戻すと同時に、肛門括約筋を開く反射の利用、さらに肛門出口にある固い便を水分で柔らかくして出しやすくすることができます。その方法を毎日続けても出にくいときは、医師に相談することを勧めました。
 そのほかにも歩くこと、就寝前に腹部を時計回りにマッサージすることも説明し、失ってしまった排便習慣を取り戻すまで続ける努力の必要性を理解してもらいました。


出典:西村かおる著、『こちら、お漏らし110番―排泄とそのケアにズバリお答えします』、2000年、中央法規


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