認知症とくすり
2012年11月30日 09:10
【Q】
高齢者の服薬では、副作用が最大の関心事のひとつです。介護職が注意しておきたいことは?
【A】
確かに、高齢者、特に認知症の方に使われる、抗認知症薬やBPSDに使われる抗精神病薬、抗けいれん薬、抗うつ薬などにはさまざまな副作用が出てくる可能性があります。
介護職として知っておくべき副作用の症状を記します。
副作用の種類 | 副作用の症状 |
抗コリン作用 | 認知の障害、せん妄、口腔内乾燥、視調節障害、便秘、尿閉、頻尿 |
急性の錐体外路症状 | 固縮、運動緩慢、振戦、ジストニア、アカシジア |
遅発性運動障害 | 遅発性ジスキネジア・アカシジア |
心血管系症状 | 低血圧、頻脈、心電図変化(非特異的T波変化、QT延長) |
その他 | 尿路感染症、ふらつき、転倒、骨折、嚥下障害、誤嚥、肺炎、眠気、脱水、呼吸抑制など |
また、注意したいのは、副作用が現れる時期です。 服薬後、すぐに現れるとは限りません。効果の前に現れるもの、かなり後になって現れるものもあります。薬との関連が難しいこともあり、注意したいものです。
副作用の発現パターン | 薬の種類 |
ほぼ同時に現れる | 一般の薬 |
副作用のほうが早く出る | 抗うつ薬(口渇、便秘、眠気など) |
副作用がずっと後に出る | 抗精神病薬(遅発性ジスキネジアなど) |