肥満とその対策
2012年11月12日 09:10
【Q】
入院して薬物療法主体の治療がなされると、退院の頃には太っている患者さんが多いように思えます。なぜ肥満になるのでしょうか。
【A】
急性期では精神的に疲弊した状態になりますが、入院して治療が進むとそれが回復するとともに、食欲が出て食事もできるようになります。そして、患者さんは運動もあまりしないので太って当たり前のように思えるかもしれません。肥満はかつては回復との相関をいわれていたこともありますし、現在は薬理作用の直接的な反応が関与していると考えられています。
また肥満は非定型抗精神病薬や定型抗精神病薬、あるいは抗うつ薬においても服薬に対するアドヒアランスを減じ、治療中断を招く原因ともなります。
さらに2型糖尿病、脂質異常症、高血圧、心臓病などの生活習慣病のリスクを高めることになります。肥満には積極的なケアが必要です。
出典:辻脇邦彦・南風原泰・吉浜文洋編『看護者のための精神科薬物療法Q&A』中央法規出版、2011。