支援が必要な利用者に、他機関を紹介するよう言われます……
2012年10月16日 09:10
【Q】
これまでもずっと関わってきた利用者ですが、上司からは、「うちでは対応が困難だから、他機関を紹介して」と言われました。何かよい方法はないでしょうか?
【A】
支援の継続を判断するには、利用者の状況だけではなく、機関の機能や責任の範囲、また、サービスや人員の限界、他への影響なども含めて幅広く検討する必要があります。担当者個人として、支援を継続してあげたいと言うだけでは不十分ということです。つまり、利用者の状況は、機関の機能に合う範囲のニーズなのか、責任を持って対応できる範囲なのか、そのために十分なサービスや人員を提供することができるのか、他のサービス利用者への影響はないのか、などを考えなければなりません。
組織の管理者は、これらを十分考慮した上で、判断をしているのかもしれません。責任を持ってその利用者に対応できなければ、組織としては大きな問題になるからです。
自分の機関で抱えることばかりではなく、他にも適合するサービスや十分対応できる機関を探して繋いでいくということも、大切な支援となります。援助者としては、地域の社会資源のネットワークを見渡して、利用者にとっての最善の選択が何かということを考えていく必要があります。
出典:神山裕美・木戸宜子『対人援助・生活相談サポートブック』中央法規出版、2008年