認知症とくすり(3)
2012年10月24日 09:10
【Q】
BPSDといわれる症状は、介護の現場では大変です。介護の人手も少ないので、つい薬に頼りたくなるのですが...
【A】
確かに、BPSDの症状は多彩で、妄想、幻覚、誤認などの精神症状や、暴力、徘徊、不穏などの行動障害は、対処が現場では難しいときがありますね。
でも薬に頼る前に、BPSDを十分に理解することが大切です。BPSDは、不適切な介護・対応で現れやすいこと、現れる時期はそんなに長くなく一時的なことが多いこと、認知症の中期以降に問題となる行動障害や精神症状が出現しやすいこと、個人個人により現れる症状が異なることなどに留意してください。
また、適切な介護で早期に劇的に消失することをよく経験します。
十分な介護、対応でも不都合なBPSDの症状があり、介護するのに大変な苦労をするときのみ、最後の手段として薬物療法を考え、医療機関に相談します。
出典:日本精神科病院協会高齢者対策介護保険委員会編『老人性痴呆疾患の治療・介護マニュアル―痴呆とその随伴症状への対応』65p、ワールドプランニング、2004.7