便秘・イレウス
2012年10月12日 09:10
【Q】
薬を飲むと、なぜ便秘やイレウスになるのでしょうか。
【A】
抗精神病薬や抗うつ薬、抗パーキンソン薬の服薬による副作用として、便秘やイレウスがあげられます。薬剤の抗コリン作用によって起きる副作用で、腸の動きが低下し、排便が滞りがちになります。便が詰まり、便が硬くなったりします。人によっては、便秘は重大な問題となり、重度の便秘や腸の蠕動運動の低下により、麻痺性イレウスを引き起こすこともあります。
抗コリン性の副作用の症状としては、便秘、排尿困難、口腔内乾燥、かすみ目などが現れます。なかでも抗コリン作用が強い抗精神病薬には、クロルプロマジン(ウインタミン、コントミン)、オランザピン(ジプレキサ)などがあります。抗コリン作用の弱い薬剤などへ切り替えていく必要もあります。また、抗パーキンソン薬は抗コリン作用を有しているため、その必要性を検討すべきです。
出典:辻脇邦彦・南風原泰・吉浜文洋編『看護者のための精神科薬物療法Q&A』中央法規出版、2011