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福祉マイスターへの道 毎日更新

心因性の頻尿

【Q】
 私は30歳の女性です。以前は何ともなかったのですが、このところ尿が近くて困っています。多い日で15回近く行くこともあります。家にいるときは比較的良いのですが、外出するとトイレが気になり、しょっちゅう行っています。
 きっかけは、以前トイレに行きたかったときに大丈夫だろうと我慢して電車に乗ったことです。このときに信号機の故障で電車が止まってしまい、とても苦しい思いをしました。
 それ以来、外出すると頻回に尿意を催します。仕事も安心して続けられず、やめようかと悩むほど困っています。泌尿器科をはじめとして、婦人科、内科にも行ったのですが、「どこも悪くない」「気にするな」としか言ってもらえませんでした。婦人科では漢方薬が出たのですが、3か月ほど服用しても変化がなく、通院をやめてしまいました。でも最近、特に気になり、困っています。何とかならないでしょうか。

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【A】

 頻尿の原因は大きく分けて、(1)多尿、(2)膀胱が小さい、(3)膀胱内の刺激、(4)残尿、(5)心因性などが考えられます。したがって、それらの原因にあたる現象がないかどうか確認していきます。たとえば、水分の取り方。多量に飲んでいないか、あるいは控えすぎて膀胱炎の誘因になっていないかを確認します。また、今までに膀胱炎や糖尿病などの病気にかかったことがないかどうか、残尿を確認するために勢いや性状なども聴きます。尿意を催すのはどのようなときか確認することもとても重要です。
 膀胱に問題があるときは、昼夜関係なく尿意を催しますが、精神的な頻尿であれば、寝ている間、あるいは何かに夢中になっている間は尿意を催すことがありません。ただし、軽い慢性の膀胱炎があっても、このようなことが起こりますから、頻尿となったきっかけも尋ねます。
 この方の場合、病院ではどこも悪くないと言われていること、またきっかけとして尿を我慢していたときに電車が止まったという経験から外出時にのみ尿意を催すようになっています。このことから、高い確率で心因性の頻尿が考えられます。確実にそうであると判断するには、排尿日誌をつけて、漏れがなく、夜間は尿のために起きることがほとんどないこと、朝起きたときの排尿量が正常であることを確認します。リラックスしているときはトイレのことを忘れられるというのも心因性の特徴ですから、排尿日誌から確認します。


出典:西村かおる著、『こちら、お漏らし110番―排泄とそのケアにズバリお答えします』、中央法規出版、2000年


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