副作用へのかかわり方
2012年09月07日 09:10
【Q】
副作用を患者さんにどう説明すればよいのでしょうか。
【A】
周囲の者すべてが自分を迫害してくるように思い、一人孤立しているような感覚に陥る急性精神病状態の時に、患者さんに服薬してもらうのはそう容易ではありません。患者さんが安心して服薬できるのは、処方する医師、与薬の場に居合わせる看護者との信頼関係があってのことです。抗精神病薬を服薬し始めると、違和感、不快感をもつ患者さんがいるといわれます。その後も、何らかの副作用に悩まされ続けることが多いといってよいでしょう。副作用や薬物調整についての患者さんの訴えに、看護者が真摯に対応することで信頼関係が生まれ、服薬継続ができる環境がつくられます。
現在の精神科薬物療法では、不快な副作用を完全になくすことは不可能です。患者さんが副作用とうまく付き合っていくことができなければ、服薬継続は困難ということになります。看護者は、薬物の効果、副作用について十分な知識をもち、薬物療法が効果的に行われるよう、患者さんと協働していくことが求められます。
出典:辻脇邦彦・南風原泰・吉浜文洋編、『看護者のための精神科薬物療法Q&A』、中央法規出版、2011年