お金がなくて受診できない高齢者にどう対応したらよいですか?
2012年08月27日 09:10
【Q】
治療が必要であるにもかかわらず、金銭負担ができないために高齢者が医療機関を受診できない場合、どのように対応すればよいでしょうか。
【A】
【収入がない場合】
医療法等には、老人福祉法における「やむを得ない事由による措置」のような制度はないため、職権で医療サービスを受けさせ医療費を支弁することはできません。
入院治療の緊急性・必要性が高い場合には、救急搬送などの手段で病院へ連れて行き、入院後に生活保護の申請をして保護費から支払う方法を検討する必要があります。
【収入がある場合】
親族が経済的虐待をしているために、高齢者自身の収入から治療費を支払えない場合には、医療機関に対し、虐待対応後、速やかに清算手段を検討することを説明します。
しかし、収入の有無に関わりなく、高齢者の判断能力が低下している場合には、成年後見人等を選任し、後見人等が法定代理人として、高齢者の財産管理や身上監護をすることになります。後見人等は、管理財産から治療費を支払ったり、高齢者本人の意思を尊重して外来診療や入院治療を受けるための医療契約を結ぶことができます。
出典:社団法人日本社会福祉士会編、『市町村・地域包括支援センター・都道府県のための養護者による高齢者虐待対応の手引き』、中央法規出版、2011年