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福祉マイスターへの道 毎日更新

自分で起き上がれる人は、○○もできる?

【Q】
 自分で起き上がることができる利用者がいます。この利用者は、他にどんな動作ができる可能性がありますか。

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【A】

 利用者のできることを把握したうえで、「他にできることはないだろうか?」と考える視点はとても大切です。
 自分で起き上がることができる場合は、寝返りも自分でできることが考えられます。したがって、前々回に紹介したように、座位で上着の袖を通したり、スプーン等をつかって食事をしたり、着替えの際にベッド上で臀部を上げたり、車いすのフットレストに足を乗せたり下ろしたり等ができる可能性があります。
 さらに、起き上がることができるということは、いすや車いすに座っている状態で、お尻を前後左右に動かし、姿勢を直すことができる可能性があります。また、いすに座ってテーブルの上にあるものに手を伸ばしたり、洗面所で顔や手を洗ったり、髪を整えたりすることもできる可能性があります。
 なお、これらの動作を行う場合には、かならず座位が安定していることを確認してください。座位の時間が長くなると、疲労してきて、姿勢が悪くなることもあります。利用者の状態をよく観察し、無理のない範囲で行うことが重要です。

 このように利用者のできることを把握し、「他に何ができるだろうか?」という視点で観察することで、利用者の生活の幅が大きく変わる事例はたくさんあります。今回は、寝返りと起き上がりの動作について紹介しましたが、立ち上がり、歩行などのほか、食事の動作や入浴の動作などについてもこの視点を活用することができます。


出典:石山満夫=編著、『観察力と考察力をみがく“ひょっと視点”で広がる介護技術』、中央法規、2011年


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