ICFに立ったアセスメント-「よくする介護」の実践のために
2012年08月16日 09:10
【Q】
アセスメントにはどのような意味があるのでしょうか?
【A】
介護の出発点は、個々の利用者を全人間的に理解・把握することであり、それがアセスメントです。アセスメントはそれ自体が目的なのではなく、目標の設定、そして目標の実現という「よくする介護」の実践のための出発点です。「よくするための突破口をみつける」ことなのです。
しかし、これは複雑な過程です。そのため、ときには見たり考えたりする範囲を自分の得意な面や興味ある面にだけ限るという、単純化の誘惑にかられがちになります。しかし、それでは介護本来の目的が達せられないだけでなく、逆効果になることさえ稀ではありません。
そのときに役立つ有力なツール(道具)がICFです。その「生活機能モデル」に立つことで、このように複雑なものを整理して、「生きることの全体像」をとらえることが可能になるのです。
また、介護すること自体が「活動」のアセスメントです。「もっとよくできないかな?」「よくするヒントはないかな?」と常に考えながら介護することが「よくする介護」の出発点としてのアセスメントとして大事です。
出典:大川弥生=著、『「よくする介護」を実践するためのICFの理解と活用』、10~11頁、中央法規、2009年