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福祉マイスターへの道 毎日更新

回想法とは

【Q】
 回想法とは、どのような人を対象に何を行うのですか。

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【A】

 回想法の対象としては、在宅のひとり暮らしの高齢者、閉じこもりがちな高齢者、施設入所者、デイサービスやデイケアの利用者、定年退職した人、伴侶を亡くした高齢者、認知症の高齢者、終末期にある高齢者など、さまざまな対象が考えられます。

 回想法には、大きく分けてグループを対象にした「グループ回想法」と、1対1で行う「個人回想法」がありますが、人生の折々の経験や出来事を個人やグループでごく自然に思い出し、語ることで、今後の生活につなげていきます。
 グループ回想法は、典型的には10名程度の小グループで行います。個人回想法は、病院や施設だけでなく、訪問看護師、ソーシャルワーカー等が利用者の自宅を訪問して行う形式もあります。個人回想法の典型は、枠組みのあるセッションを継続して行う場合が多いですが、日常的なケアの場で、意図的に回想法を活用してケアに活かすことも一つの方法です。

 回想法を行うことで、内面的には、過去からの問題の解決や再統合を図ることができる、アイデンティティの形成に役立つ、自己の「連続性」への確信を生み出す、自尊感情を高めることにつながる等の効果が考えられます。一方、対人関係的には、対人関係の進展を促す、生活を活性化し、楽しみを作る、社会的習慣や社会的技術を取り戻し、新しい役割を担う、新しい環境への適応を促すなどの効果が考えられます。
 さらに、認知症の高齢者に対しては、情動機能の回復、意欲の向上、発語回数の増加や表情などの非言語的表現の豊かさの増加、集中力の増大、BPSDの軽減、社会的交流の促進等の効果が考えられます。

 回想法をどのような人を対象に行うのかは、「何のために行うのか」を明確にすることで自然に見えてくるものといえます。


出典:野村豊子編集代表、語りと回想研究会/回想法・ライフレヴュー研究会編集『Q&Aでわかる回想法ハンドブック 「よい聴き手」であり続けるために』、中央法規出版、2011


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