複雑な問題を抱える利用者の支援に、とても時間がかかります……
2012年07月03日 09:10
【Q】
家族関係が複雑だったり、独居で認知症があるなどの理由で終始職場に連絡が入り、呼び出されて現場に行くことがあります。その対応だけで、一日が終わってしまうこともしばしばです。
【A】
労をいとわず現場に行き、利用者や家族と接することは大切です。しかし、その際、この仕事の優先度がどの程度なのか、自分の業務とのバランスですぐに対応すべきことなのか、少し時間をおくことができるのかなど、利用者一人ひとりの状況を客観的に把握しておくことが大切です。
たとえば、利用者や家族が心身ともに不安定で、生命に危険があるときは、最優先で対応しなければならないでしょう。反面、少し時間をおいて後から電話対応すればよいこともあります。すぐに対応できない場合でも、時間を約束し、それを守ることで、利用者や家族との信頼関係を保つことができます。
しかし、利用者ニーズによる業務の優先順位づけは、経験の浅い援助者の場合、少し難しいかもしれません。判断がつかないケースが多いという場合には、日頃からケース経過を上司に相談しながら進めたり、スーパービジョンを受けることもよい方法だと思います。そのようななかで、緊急度の判断や、自分の業務のバランスとの“ものさし”を、自分なりに作っていくことができます。
出典:神山裕美・木戸宣子『対人援助・生活相談サポートブック』中央法規出版、2008年。