利用者や家族からの長電話に困っています……
2012年07月02日 09:10
【Q】
利用者や家族からの電話相談。なかには、長時間話し続ける人もいて、困っています。他の仕事もあるし、周りの職員の視線も冷たく感じます。
【A】
相談の電話を掛けてくる人は、直面する様々な問題に揺らぎ、混乱している人が少なくありません。そのような人が、理路整然と自分の状況について話すことは難しいでしょう。そのような困り事を受け止め、きちんと向き合うことは、非常に重要な仕事です。
しかし一方で、時間をかけさえすれば問題が解決するわけでもありません。初回相談やターニングポイントの時であれば別ですが、常に時間をかけてしまうようだと、かえって問題の解決が遠のく恐れがあります。相談援助職は、面接を通じて利用者のニーズを的確につかみ、問題解決への道筋をつけることが求められます。
同じ話が繰り返し語られる場合には、会話の中身を援助者が整理して要約し、一度利用者に戻して確認すると、状況が明確になり、場面転換が図れることがあります。話の交通整理をして、利用者の混乱を解きほぐしていくことを心掛けていきましょう。
自分の援助過程を振り返り、援助の組み立てを見直していくことが、実践力の向上に繋がります。可能であれば、電話での援助過程を記録としてまとめ、上司やベテランにチェックしてもらったり、長時間の電話への対応方法を教えてもらうとよいでしょう。
出典:神山裕美・木戸宣子『対人援助・生活相談サポートブック』中央法規出版、2008年。