同居していない養護者による経済的虐待への対応は?
2012年06月20日 09:10
【Q】
同居していない親族や知人による経済的虐待への対応はどのように行ったらよいでしょうか。
【A】
高齢者虐待防止法では、経済的虐待の主体を「養護者又は高齢者の親族」と規定しています(第2条第4項第2号)。
従って、同居の有無にかかわらず、高齢者の親族が経済的虐待をしていれば、本法の適用があります。また、同居していない知人であっても養護者といえる場合もあるでしょう。
これに対し、養護者とは評価されない知人が経済的虐待をしている場合は、本法の適用はないことになります。
この場合、第27条(財産上の不当取引による被害の防止等)や、刑法・民法等の一般規定により対処することになりますが、経済的虐待から高齢者を守るため、成年後見制度の申立てが必要となるケースが多いと思われます。また、事例によっては、刑法の詐欺罪や窃盗罪に該当することがあれば告訴・告発が、民法上は不当利得の返還請求や不法行為による損害賠償請求をすることが必要になる場合も考えられます。
*養護者とは…
高齢者虐待防止法では、養護者の定義を「高齢者を現に養護する者であって養介護施設従事者等以外のものをいう」と定めています(第2条第2項)。
出典:社団法人日本社会福祉士会編『市町村・地域包括支援センター・都道府県のための養護者による高齢者虐待対応の手引き』中央法規出版、2011年