排泄の記録
2012年06月15日 09:10
【Q】
「排泄の記録」では何をどのように書いたらいいのか教えてください。
【A】
排泄は、人間の尊厳に深くかかわるものです。声のかけ方や介助の仕方はもちろんのこと記録にも配慮が必要です。排尿・排便の時間や介助方法の記録から、排泄のリズムを把握し、適切な声かけや介助によって自立につながる可能性もあります。また、尿や便の量、色、性状、においなどを記録することにより、利用者の体調や薬の影響を知ることができる場合もあります。排泄に関する記録では、特に利用者の尊厳やプライバシーへの十分な配慮が求められます。
排泄の記録は、次のような点に注目して書くとよいでしょう。
(1)尿意や便意の有無
(2)尿や便の量、色、性状、におい
(3)身体機能の状況、皮膚の状態
(4)排泄に対する困りごとや希望
(5)服薬の状況
(6)下着やおむつの種類
(7)具体的な介助の方法 など
高齢者施設では、便秘を訴える利用者が少なくありません。便秘が続いた場合、緩下剤や浣腸薬の使用は最終手段と考え、利用者の意向を確認しながら、まずは食べ物や水分で工夫することが大切です。本人なりの便秘解消法がある人もいます。利用者や家族から情報を得て、さらに看護師、栄養士などとも連携し、できるだけ自然に排便できるように支援しましょう。このときも記録が重要な役割を果たすことはいうまでもありません。
出典:NPO法人Uビジョン研究所編『介護記録の書き方・読み方・活かし方 記録をケアの質につなげるために』中央法規出版、2009年