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福祉マイスターへの道 毎日更新

スタッフのモチベーション(動機付け)を上げるにはどうしたらいいの?

【Q】
 入社して3年目のスタッフBが、介護リーダーAに向かって「最近やる気がでないんです」と訴えてくる。介護リーダーAが「何かあったの?」と問うが、スタッフBは「理由はわからないんです…」と答える。そこでAは、頭に思いつくところを、次々と聞いてみた。(1)A「給料が安い?」B「あまり気にしていません」(2)A「休めない?」B「十分休んでいます」(3)A「家庭の問題とかある?」B「すこぶる順調です」(4)A「お客様や職員との人間関係が悪いとか?」B「みんないい人です」(5)A「そろそろ昇進も考えないとね?」B「いいえ結構です」(6)A「仕事の内容?」B「なぜか最近仕事がちっとも面白くなくて…」(7)A「最近仕事が面白くないのね…この仕事が嫌なの?」B「いえ、そうではないんですけど…」 A『仕事は嫌いじゃないのに、やる気が出ない…。燃え尽きかなぁ…。休みや人間関係もうまくいっているなら、うつではなさそうね。でも何か理由がきっとあるはずよね、一体なんだろう…』

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【A】
 モチベーションを上げる対策として、生理的欲求に対しては、就業規則や給与規程などの改善が、安全の欲求に対しては、夜勤数の減少や終身雇用制度の確立、保育所の充実などの改善がなされなくてはならないので、両者とも介護リーダーは、スタッフの意見を聴き取り、業務改善委員会等を通して、積極的に発言し、経営陣に具申しなければならない。
 愛と所属の欲求に対して介護リーダーは、基本的な人間関係を整えるよう調整したり、委員会などの小集団を組成し、やりがいを見出せるように工夫しなければならない。
 また、承認の欲求に対して介護リーダーは、日頃からの評価や、人事考課などによって、適切な承認(アクノリッジメント)をしてゆかなければならない。
 さらに自己実現の欲求に対して介護リーダーは、研修や職務を充実させ、生き甲斐につながるように工夫していかなければならない。
 この際、見落とされがちになるのが、介護における“間接業務の多さ”である。代表的な間接業務としては、申し送り、記録、会議、移動(お客様並びに職員)などが挙げられる。間接業務が増え、ベッドサイドで行う直接業務が減少すると、お客様の笑顔が見られなくなる。このことは、介護業務のやる気と、生き甲斐を徐々に奪っていく。よって介護リーダーは、間接業務の短縮と、研修や職務の充実をいつも考えていかなければならない。

出典:石郡英一著『介護リーダー役割発揮のための基礎50』中央法規出版、2007年


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