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福祉マイスターへの道 毎日更新

介護リーダーの位置づけがわからないと苦労する

【Q】
 当該グループホームは2ユニットで、責任者(施設長)は会社の社長となっている。介護リーダーAは、グループホーム全体の管理者として登録してあり、役職名は介護課長(リーダー)である。彼の下には、A・Bというユニット毎のユニットリーダーが存在する。
 介護リーダーAは、基本的に2ユニットのうち、A棟に常駐しており、通常はA棟の業務に自ら入り、食事介助、入浴介助、排泄介助といった日常の身体の世話から、炊事、洗濯、掃除といった日常の世話、さらにレクレーションや行事などもこなしている。その上、社長の命令により、必要に応じて、振替伝票作成、レセプト集計、請求業務といった経理業務や、勤務実績チェック、勤務表作りといった労務業務、求人、面接といった人事業務、その他、営業、相談業務、ケアマネ業務などをこなしている。
 スタッフからは「リーダーは欠かせない重要な人員の一人」と認識されている。そのため、管理業務が忙しくなる月末・月初になると、「現場が回らないので、ちゃんと現場の仕事をしてください。何をやっているのですか?」とクレームを出されてしまうという。

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【A】
 職場での“職性”“職務”“役割”は、介護リーダーだけでなく、きちんと“職務記述書”として書き表したほうがよい。これらを書き表す、あるいは明示することにより、各部署の職性・職務、各役職の役割・職務が明らかになる。すると当然、スタッフは介護リーダーの職務、そして自らの職務を理解するようになり、リーダーとスタッフとの疎通が取れるようになる。と同時に、職務記述書をもって、自らの職域を上席者に具申しやすくなる。
 “職務記述書”とは、その名の通り、その職種、役職における職務を記述したものである。この職務記述書を介護リーダーは、自らのものと、介護スタッフのものを作成する必要がある。職務記述書の内容はさまざまであるが、辞令をさらに具体的に表記したようなもので、下に示したような内容で書き上げるとわかりやすい。

 1.職名 
 2.職性(職の性質・部署)
 3.職位(部署における役職)
 4.上席者(指示命令を受ける対象職位)
 5.職の目的(理念から下りてきた内容を具体化したもの)
 6.職性・職位の資質(資格と具体的資質)
 7.職務内容と責任(日常の身体の世話:食事介助、入浴介助、排泄介助、
   日常の世話:炊事、洗濯、掃除、などといった具合に具体的に記入する)
 8.勤務場所
 9.勤務条件
 10.その他

 当然のことではあるが、職務記述書を作成したからといって、杓子定規に業務を線引きできるものではないので、理解してもらえるよう、説明責任は果たさなければならない。

出典:石郡英一著『介護リーダー役割発揮のための基礎50』中央法規出版、2007年


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