なぜ高齢者虐待は支援困難事例ではなく、虐待と認定する必要があるのですか?
2012年06月18日 09:10
【Q】
養護者による高齢者虐待に対しては、なぜ支援困難事例として対応するのではなく、虐待と認定する必要があるのでしょうか。
【A】
高齢者虐待対応の目的は、虐待を解消し、高齢者が安心して生活をおくるために環境を整えることです。その目的を実現するために、虐待を受けている高齢者の保護はもとより、必要な場合には、養護者も支援の対象として明確にするために、虐待と認定することが重要です。
相談や通報を受け付けた事例が高齢者虐待に該当するかどうかを判断することは、高齢者や養護者を支援の対象として位置付けるためになされるものです。また、高齢者虐待と認定することで、市町村権限の行使も含めた適切な対応を検討することが可能となります。
このとき、高齢者や養護者の虐待に対する自覚は問いません。客観的に見て、高齢者の権利が侵害されていると確認できる場合には、虐待と認定して対応を行う必要があります。
*養護者とは…
高齢者虐待防止法では、養護者の定義を「高齢者を現に養護する者であって養介護施設従事者等以外のものをいう」と定めています(第2条第2項)。
出典:社団法人日本社会福祉士会編『市町村・地域包括支援センター・都道府県のための養護者による高齢者虐待対応の手引き』中央法規出版、2011年