内縁関係の人たちへの支援の手立てがわかりません
2012年05月29日 09:10
【Q】
ある利用者とその夫は内縁関係にあります。在宅サービスの利用を計画していますが、どこまでその夫を頼りにして話を進めてよいのかわかりません。
【A】
内縁関係であっても、法律上の夫婦関係と同等の権利や義務が認められることが多いのですが、実際に親族としての責任となると、それを求めるのは制約があるように思われます。しかし、たとえ制度上何らかの制約があったとしても、本人たちが生活をしているという事実、お互いの思いや感情に対しては、援助者が制約を与えることはできないでしょう。本人たちは何らかの考えや事情があって、内縁関係の形を取っているのでしょうから、むしろその考えを援助者は理解する必要があります。内縁関係の理由を詮索するよりも、今後の生活支援、サービス利用のことについて、本人たちの考えや意志を確認してみましょう。
事情によっては、親族のような責任を取れないということがあるかもしれません。それでも同居生活を続けてきた人たちですから、本人たちなりの解決の仕方を持っているはずです。援助者が何とかしなくてはと思うより、本人たちなりのやり方を尊重していく必要があります。そしてそのうえで、サービス利用にあたって、同居者がどこまで何をするのかという話し合いは、内縁関係であろうとなかろうと、サービス計画を立てるうえでは必要なこととなります。
出典:神山裕美・木戸宣子『対人援助・生活相談サポートブック』中央法規出版、2008年