抗精神病薬等の減らし方
【Q】
抗精神病薬、抗うつ病は、患者さんの精神症状がよくなったらすぐに減量してもよいのでしょうか?
【A】
統合失調症では、薬物療法を行わないと、診断時から1年以内に約70~80%の患者さんが統合失調症の症状を再発するといわれています。継続的に薬を服薬すると、再発率は20~30%に下がり、症状の再発は大幅に少なくなります。退院後、処方薬を服用しない人では1年以内に再入院する確率が非常に高くなります。
再発リスクには、服用のみならず、患者さんのソーシャルスキル、患者さんへの心理教育や、感情の感情表出などが関係します。服薬のみに頼るのではなく、それを基盤としてさまざまな安全策を講じておくことが必要です。
抗精神病薬では、至適用量での使用が望まれます。急性期を過ぎ安定期に入ってきたら薬を漸次減量し、できるだけ少ない量での至適用量を探ります。多剤併用大量投与の長期服薬者の減量を考える時には、その目的と離脱症状や再発のリスクを説明したうえで、半年から1年という長いスパンで、ゆっくりと計画的に減量を考えるとよいでしょう。
うつ病では、抗うつ薬による治療などが十分に行われると、多くの場合は数週間で自覚症状や他覚所見が消失します。抗うつ薬の使用は抗精神病薬とは逆に、必要十分な量を継続して服用することが重要です。うつ病は繰り返しかかりやすい病気であり、症状がいった消失しても再発してしまうことがあります。ある報告では、うつ病を1回発症した後の再発率は50~60%、2回発症した後では70%、3回発症した後では90%といわれています。
うつ病の症状が消失した後、少なくとも6か月間は抗うつ薬による治療を続けるべきという考え方が多いようです。維持療法期間としては、再発リスクが高い人では、さらに2年間の治療が必要といわれています。
出典:辻脇邦彦・南風原泰・吉浜文洋編『看護者のための精神科薬物療法Q&A』中央法規出版、2011年