認知症の人の外出支援
2012年05月08日 09:10
【Q】
グループホームなどでは、利用者の外出の効果がいわれます。外出する際、どのような点に気をつければよいのでしょうか。
【A】
外出をすることの意味を考えてみましょう。自宅に帰りたかったお年寄りが、うまくだまされて気分転換のために連れ出される…こんなことはありませんか。連れ出されたお年寄りのうち、実際に「気分転換」を上手にできてすっきりとした表情で施設に戻るのはどのくらいいるのでしょう。
ドライブ中は、外の景色を見ながら「帰りたい」ということを忘れてしまうお年寄りもいるかもしれません。しかし、施設の玄関を見た途端、「帰れていない」事実に気づき、さらなる混乱を生んではいませんか。
これはお互いにとって「とても残念な外出支援」といえます。外出の機会が多いのは必ずしもマイナスなことではなく、プラスに作用することも多いでしょう。しかし、事例の1や2は、主体がお年寄りになっていないことに問題があるのです。
出典:安西順子編『気づいていますか 認知症ケアの落とし穴』中央法規出版、2012年