聴覚障害者(児)の支援について~5.聴覚障害に関わる支援施策にはどのようなものがあるか?(2)
2012年04月13日 09:10
聴覚障害についての福祉支援の制度としては、昨日紹介したもののほかに、以下のようなものがあります。
(4)聴導犬
聴導犬を利用する際に必要な事項を障害者が訓練するというもの。聴導犬は玄関のブザー音や電話の呼出音、危険を知らせる音等を聞き分けて、障害者に伝達、また誘導できるように訓練されていますが、その犬との生活に当たっての必要事項を障害者も訓練するものです。
(5)施設等
聴覚・言語更生施設や授産施設といった障害者支援施設があります。また高齢期においては養護老人ホームや特別養護老人ホームがそれに該当します。
また、字幕入りのビデオの貸し出しなど視聴覚教材を貸出提供したり、手話通訳者・要約筆記者を派遣、情報機器の貸出事業などを行う聴覚障害者情報提供したりする施設があります。
(6)補装具
聴覚障害者の場合には、補聴器が該当します。身体障害者福祉法の適用となるには、障害者手帳が交付されていることになりますが、補聴器がないと生活が困難であっても、手帳の交付対象となる障害程度に該当しないために、自費で購入となる例があり、問題とされています。
(7)日常生活用具
基本的には、(1)聴覚障害者用屋内信号装置、(2)通信装置、(3)情報受信装置が該当しますが、これらの品目の設定や費用負担については市町村が決定することになっています。
【参考図書】
奥野英子編著『聴覚障害児・者支援の基本と実践』(中央法規出版)平成20年3月刊、定価2800円(税別)