関節リウマチの人への食事介助
2012年03月01日 09:30
【Q】
関節リウマチの人への食事介助で気をつけることを教えてください。
【A】
リウマチの利用者は、日常生活の中で動くたびに関節に負担がかかります。そのたびに痛んだり、関節の動きが鈍くなると、必要な動作ができなくなったり、しようと思っても痛むからやめようと、動作をすること自体に消極的になりやすくなります。
ですから、できるだけ住環境を整えて、生活を楽にする道具を工夫する一方で、生活の中心をなす食事場面でも、食具の工夫やいすの高さなど、本人の負担にならずにおいしく楽しく味わってもらえるよう配慮しましょう。
関節に負担をかけずに日常生活を過ごすための道具は「細かいものは太く、短いものは長く、低いものは高く、硬いものは軟らかく」と覚えておくと、場面に合わせた配慮ができます。
リウマチが進行し、手首や手指の変形・拘縮のために食具が使えなくなったときは、本人のつらい気持ちを受け止め、落ち着いた態度で接しましょう。食事介助の目的は、食べる人の不足している力を補うことなので、食事のメニューを提示し、本人が食べたいものから口に運びます。その際、徐々に飲み込む力や口を開ける力が弱くなることが予想されます。よく観察し、前半は自分で食べてもらい、後半は介助者が食器を持ち上げたり、腕を支えて部分的に介助するなど、臨機応変な対応を心がけましょう。
さらに、長く続く病気のため、うつ状態になることがあるので、食事場面で気持ちの解放を図りながら、本人がリウマチとうまく付き合っていこうという気持ちをもつ配慮を忘れないようにしましょう。
出典:介護専門職の総合情報誌『おはよう21』2009年4月号増刊、中央法規出版