援助者の役割を何と説明したらよいのでしょう……
【Q】
利用者との最初のかかわりでは、援助者の役割を説明する必要があると思うのですが、うまく説明ができずに困っています。どうすればよいのでしょう?
【A】
相談援助の仕事は、介護や看護と違って利用者にわかりにくく、相談援助といってもいったい何をしてくれる人なのだろうと不信感をもつ利用者も少なくないでしょう。
各職場では、インテーク面接のために機関の説明パンフレットなどを作成しているかもしれません。そのなかで、組織の機能や役割とともに、相談援助職の役割や支援の流れなどをまとめておくと、インテーク時にも落ち着いて説明ができ、利用者にわかりやすく伝えられると思います。
例えば、「あなたが困っていることを伺い、ともに考え、必要な情報を提供し、関係者との連絡や調整を行います。そして、あなた自身の抱える問題の解決をお手伝いする職種です」「あなたの生活上の悩みや心配ごとを伺い、あなた自身が問題解決に取り組んでいけるように、ご家族やいろいろな機関や人々と連絡を取り合いながら、あなたを支えていく仕事です」など、組織や機関の目的によっていろいろな説明の仕方があると思います。その際、利用者の視点で、利用者にメリットがあるように考えていくことが必要です。
利用者との最初のかかわりであるインテークは、その後の支援を効果的に進める上でも重要なステップです。機関の内容とともにソーシャルワーカーの役割を伝え、援助関係の開始について了解を得ることは、援助過程のなかの「契約」にもあたります。利用者が望むことが自分の機関で対応できるかを考え、無理なときは別の機関や団体を紹介するということもあるでしょう。
自分の役割をきちんと説明できることは、インテーク時の必須項目です。それが援助関係の第一歩であるという自覚をもって、利用者にわかりやすく説明できるようにパンフレットなどにもまとめて準備をしておきましょう。また、説明しても十分に伝わらない場合もあるので、日々の行動のなかで利用者に示していくことが大切です。
出典:神山裕美・木戸宣子『対人援助・生活相談サポートブック』中央法規出版、2008年