転倒防止対策
2012年01月24日 09:10
【Q】
施設内に職員の目が行き届かない死角があり、利用者の転倒に気づくのが遅れることがあります。
【A】
大前提としては「見守りの強化」です。それ以上に重要なことは、「転倒・転落は防止できない。むしろしてしまうものだ」という逆転の発想で考えてみてはいかがでしょうか?
ユニットケアでは、観葉植物を置いたり、棚を作ったり、ソファを置いたりするので死角や障害物が増えますが、それが即危険につながるわけではありません。転びそうになったとき、それらにつかまったり手をつくことができることもあるのです。そもそも、お年寄りでなくても、誰しも転ぶ危険性は持っているものです。
そこで、転んでも大きなケガにならない環境整備が必要です。たとえば、「クッション性の高い床材」を使用することも有効でしょう。
利用者がたばこを吸いに行くことを職員が認識しているのであれば、「○○さん、たばこを吸いに行くのですね? 気をつけて行ってきてくださいね」という声かけ一つで、安心感と注意を促す効果もありますし、他の職員との情報共有にもなります。意図的に死角を作るといっても、「乱暴な環境は、乱雑なケアになる」ことも忘れないでください。
出典:介護専門職の総合情報誌『おはよう21』2005年6月号、中央法規出版