個別浴槽での介助
2012年01月20日 09:10
【Q】
個別浴槽での介助で心がけることを教えてください。
【A】
現在の高齢者の時代には、家にお風呂があること(内湯)は、一種の「ステータスシンボル」でした。入浴文化を理解することも介護職員には必要なことです。銭湯や温泉などに行くとお年寄りが多いため、「お年寄りは大勢で入浴することが好きだろう」と単純に考えることはやめましょう。「ある種のプライド」を持っている方は、「集団での入浴を拒む」ことが多々あります。
利用者に片まひがある場合、リスクマネジメントも考えて、「自分でできることは自分でする」ということを話し合っておくと、お互いに有効な時間の使い方ができるはずです。「ゆっくりと入ってもらいたい」という意向があるのはよいことですが、時間をかけることが必ずしも正しいとは限りません。それよりも、「入浴を楽しんだ」という、精神的満足度を増してもらう対応をしましょう。
たとえば、入浴時間は、リラックスできるときでもあります。利用者が山形県出身ならば「花笠音頭」の話をしたり、九州の久留米出身ならば、「久留米かすり」の話をしたりなど、「快の感情」を持ってもらうことに重点をおいたケアを心がけましょう。
出典:介護専門職の総合情報誌『おはよう21』2005年6月号、中央法規出版