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特養の利用料徴収を巡って~2.施設で通帳を管理するには?

 ある特養で利用料の支払いが滞るようになった利用者がいました。その方は認知症もあって国民年金の受取りも含め、資産の管理は長男夫婦に任せていたのですが、近年の不況の煽りで長男は職を失い、親の年金等の資産に手をつけるようになっていたのでした。
 さて、特養の対応としては、どうあったらよいのでしょうか。

【Q】
施設で通帳を管理するには?

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【A】
 利用者の財産の確保を前提として長男夫婦ならびに兄弟、親族との協議が整ったとします。そこで多くの特養で行われているように、金銭管理委託契約を結び、今後の利用料の徴収を施設が管理して行うことが考えられます。
 この金銭管理委託契約を巡っては、まず措置の時代においては管理手数料を取ることはできなかったわけですが、介護保険制度に移行してからは、半数の施設で徴収しているとの調査があります。ただし、印鑑と通帳とが一緒に管理され、一人の担当者が一括管理している施設も多くみられ、不正に結びつきやすいとの指摘があります。また、本来費用が発生するはずのない費目での徴収が行われている例があり、施設で管理することの是非を問う意見もあります。帳簿をつける際に、制度内の出費と施設独自の出費とを区分けして記載する必要もあります。
 ほとんどの施設では、使途明細を期限を区切って家族等に報告しているようですが、一部で行われていないとの報道もあることから、管理の透明性は今後とも課題です。
 また、施設で管理委託としても、その確実性を確かなものとするために、後見人等がいる場合も出てきています。

【参考文献】
社団法人日本社会福祉士会編集『改訂 成年後見実務マニュアル-基礎からわかるQ&A』中央法規出版 2011.06刊
国民生活センター『入所施設とグループホームで暮らす痴呆性高齢者・知的障害者の金銭管理と権利擁護に関する調査研究』2004.04


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