医行為でない行為のポイント(4) 自己導尿の補助
【Q】
介護職が高齢者の自己導尿を補助する場合のポイントを教えてください。
【A】
導尿とは、何らかの理由で自己排尿が困難な利用者が、カテーテルを尿道から膀胱に挿入して、人為的に排尿をする行為をいいます。自己導尿とは、カテーテルの挿入を利用者またはその介護者が行うことをいいます。
この行為を実施する際の注意点は、無菌的操作で行うことが第一にあげられます。本来排尿は、膀胱から尿道へと尿が流れることで菌が膀胱内に逆に流れることはありませんが、カテーテルを用いることで、菌を尿道から膀胱内へと持ち込む場となり、尿路感染症を引き起こすことになります。
この方法は、利用者およびその介助者が医療職から具体的な指導を受けて実施できるようになっているので、介助者はカテーテルの準備や体位の保持を行うことを介助します。
<手順とポイント>
・使用する導尿セットの取り扱い方を確認しておきます
→無菌的な操作を必要とするので、触ってもよい部分とそうでない部分を明確にしておきましょう。
・利用者の体位を確認しておきます。どうすれば介助に有効かを確認します
→女性の場合、ベッド上で下肢を開いた座位や、洋式トイレに片足を乗せる、立位のままなどの体位があります。男性の場合、洋式便器やいすに座り、下肢を開いた状態で行う体位があります。
・女性利用者の場合、尿道口を確認するために鏡を利用することもあります
・自己導尿に関する時間は利用者によって異なります。その利用者の時間を確認しておきます
・実施後はカテーテルを洗浄し、消毒液の入った容器に保管します
→方法は、カテーテルの種類等により利用者およびその介護者が熟知しています。疑問に思うことは確認しておきましょう。それでも解決できない疑問は医療職に確認します。
出典:白井孝子『改訂 介護に使えるワンポイント医学知識』中央法規出版、2011年