「担当者を替えてくれ」と言われてしまいました。
2011年11月04日 09:10
【Q】
自分が対応していた利用者が怒って、「担当者を替えてくれ」と言ってきました。自分としては一生懸命対応してきたつもりなのですが……。
【A】
援助者として一生懸命対応してきたのに、利用者に「担当者を替えてくれ」と言われてしまっては、自分の何が悪かったのかと考えてしまいますよね。しかし、利用者が怒る理由は、担当者の問題ばかりではありません。
利用者の特性や状況について、もう一度アセスメントをしてみる必要があるでしょう。利用者が何をしてほしいのか、どのようなサービスを求めているのかということのみならず、潜在的なニーズを探る必要があるかもしれません。すなわち、その利用者がそれまでの生活の中でどのような価値観をもち、どのような行動特性を持ってきた人なのか。このようなアセスメントのなかから、なぜ利用者が「担当者を替えてくれ」と言うのか、その理由を探ってみる必要があります。それによって、利用者が怒っているという態度や行動を、その人の特徴として理解できるかもしれません。
これらをふまえて、チームとして対応することを考える必要があるでしょう。利用者の言うように、担当者を替えることで利用者が納得するともかぎりません。利用者を取り巻く状況やその背景にあるニーズを理解した上で、チームとしてアセスメントを行い、援助方針を立て直す必要があるかもしれません。
出典:神山裕美・木戸宣子『対人援助・生活相談サポートブック』中央法規出版、2008年