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福祉マイスターへの道 毎日更新

精神科で使われる薬

【Q】
 精神科で使われる薬の特徴を教えてください。内科などで使われている薬とは、何が違うのでしょうか?

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【A】
 薬を使って治療する場合、まず、その病気により、身体の中で何が起こっているのかを知っておかなければなりません。脳内にはさまざまな情報を伝える物質が存在し、それらは神経伝達物質と呼ばれています。神経伝達物質には、ドパミン、セロトニン、アドレナリン、アセチルコリンなどがあり、思考や感情、記憶など、情報を伝達するうえでそれぞれ重要な役割を果たしています。精神科の疾患は心の問題ととらえがちですが、脳内の神経伝達物質の過剰または減少により、さまざまな症状が起こると考えられています。ドパミンが過剰に放出されると、幻覚や妄想等の精神症状が現れるようになります。セロトニンの減少は、気分が落ち込むなど、うつ状態に関係しています。
 なぜ脳に障害が起こるのかの原因はまだはっきり解明はされていませんが、薬は神経伝達物質のバランスの乱れを改善するように働きます。効果が現れるのに時間がかかるのも、このためです。服薬をやめてしまうと、再びバランスの乱れが起きる可能性が高いので、医師から指示された期間は服薬を続けることが大切です。
 精神疾患は、生理学的機序からだけでなく心理面での影響も大きく関与するため、薬の効果は他科で使われる場合に比べ、効果がわかりにくい場合もあります。自覚症状として、薬の効果がわかりにくいのも、精神科の薬物療法ではよく見られることです、薬の効果が出てくるまでに時間もかかりますので、必ず、医師の指示した期間は薬を飲み続け、効果を見ていかなければなりません。

出典:辻脇邦彦・南風原泰・吉浜文洋編『看護者のための精神科薬物療法Q&A』中央法規出版、2011年


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