向精神薬の種類
2011年10月25日 09:10
【Q】
向精神薬にはどのような種類があるのでしょうか?
【A】
広い意味での向精神薬には、精神科領域の治療薬として使われるもの以外にも、LSD-25のような幻覚を起こさせる精神異常発現薬、アヘンなどの多幸化薬も含まれます。これは、向精神薬の定義が、脳に作用することによって精神活動に何らかの影響を及ぼす薬物の総称だからです。
しかし向精神薬というと、普通は精神科で治療に使われる薬剤を指します。協議の向精神薬は、抗精神病薬、抗うつ薬、気分安定薬(抗躁薬)、抗不安薬に限定するのが一般的です。これは、臨床効果に着目した分類といえます。薬理学のテキストでは、睡眠薬、抗てんかん薬は中枢神経抑制薬、そして抗パーキンソン薬、認知症治療薬は神経変性疾患治療薬と、向精神薬とは区別して分類されています。
狭義の向精神薬は、化学構造によって共通の構造式グループごとに○○系と分類されます。例えば、抗精神病薬の分類は、フェノチアジン系、ブチロフェノン系、ベンザミド系、イミノジベンジル系、チエピン系、インドール系、その他となります。
出典:辻脇邦彦・南風原泰・吉浜文洋編『看護者のための精神科薬物療法Q&A』中央法規出版、2011年