福祉コミュニケーションの基本~2.自己覚知とは?
2011年10月18日 09:10
【Q】
自己覚知とは?
【A】
支援者に専門知識があって、それなりの技術があり、専門的な倫理観を備えもっていて信頼形成ができたならば、それで対象者のニーズを的確に把握できるのか? そこにはもう一つ注意をしておかなくてはならない視点があります。
それは、支援者自身の想いや感情、物事を捉える視点の傾向(ときに思想)、対象者の人柄に対する何らかの偏向的な視点等々、必ずや支援者自身の特定のフィルターを通してしか、対象者を捉えることはできないということです。
自分自身のこうした性向を知り、フィルターを透明に保つことを心がけてさえなお、こうした事項を払拭することは困難です。支援者は、そうした自分自身を知ったうえで、対象者に接していくことも大切です(自己覚知)。
また、こうした心がけは、対象者に関わるときだけでなく、専門職同士の支援ネットワークにおいても役立つものであることから、福祉の支援者はスーパビジョンやロールプレイ等を通じて、自己覚知を深めていくことも必要でしょう。
出典:都村尚子著『福祉コミュニケーション論-支援を必要な人が求めるもの、支援する人に必要なもの』中央法規出版