訴えの多い通所者
2011年09月20日 09:10
【Q】
訴えの多い通所者がいます……
【A】
さまざまなプログラムの場面で、訴えの多い通所に出会うことがあります。特性のスタッフに話しかけてきたり、話し合いを独占したり、同じ話を繰り返し話してくる場合などです。デイケアには、個人の影響力を調整できる活動もありますが、話し合いなどのように、グループでの通所者相互の関係を重視しながら進める活動が多くあります。このような場面で個人的な話が多くなると、グループでの話し合いの妨げになったり、活動に支障を来してしまいます。このようなときはどうしたらいいのでしょうか。
本来デイケアは、グループを活用してさまざまな効果を得る場であり、スタッフが個人的な相談に終始してしまっては、せっかくのグループが意味を失ってしまいます。「話し合いがスムーズにいかない」ということも、グループにとって重要なテーマです。できるかぎりグループのなかで取り上げられるよう、見守り、支持していきたいものです。しかし「訴えの多い」通所者に、大きな病状の変化や特別な心理社会的な問題があれば、個別の対応が中心となる場合もあります。なぜそのような言動にでているのか、その背景や状況を正しく理解し、見極めていく必要があります。またその際、デイケアはどのような治療や支援を提供する場なのか、その枠組みを示すこともスタッフに求められます。
出典:日本デイケア学会編『精神科デイケアQ&A』中央法規出版、2005年