利用者が助言を受け入れてくれないのですが……
2011年09月29日 09:15
【Q】
ある利用者に「健康のために栄養のある食事を」「気持ちよく暮らすためにホームヘルパーなどのサービス利用を」と助言や情報提供するのですが、受け入れてもらえません。どうすればよいでしょう?
【A】
なぜ利用者は、援助者からの助言や情報を理解してくれないのでしょうか。利用者にしてみれば、よかれと思って助言をしてもらっても、今までの生活スタイルや習慣を急に変えるのは難しいのかもしれません。また、サービスが必要であるとわかっていても、それを利用するとなるとお金が必要になったり、他人を家の中に入れることに抵抗感を感じる利用者もいます。
援助者としては、助言をする前に、利用者にこれまでどのように暮らしてきたのかをていねいに聞いてみることが大切です。しだいに、その人なりの生活観や価値観などが見えてくるでしょう。
その上で、利用者自身のこれまでのやり方を活用することを考えてみましょう。人の手を借りずに自分自身で、自分のやり方でやりたい部分はどこなのか、工夫できることはないかなど、サービスの利用を勧める前に、考えられることも多くあるでしょう。
なかには食事がとれなくてもかまわない、快適に暮らせなくてもかまわないと思うようになってしまっている利用者もいるかもしれません。その場合には特に、サービスの話よりも利用者の生活観や価値観の理解が重要になってくるでしょう。
出典:神山裕美・木戸宣子『対人援助・生活相談サポートブック』中央法規出版、2008年