「災害弱者への支援-社会福祉の立場から災害支援を考える」4
2011年08月18日 09:20
【Q】
自主防災組織とはなにか?
【A】
地域の住民組織には様々なものがあります。戦前の隣保組織を継承した町内会などの自治会から、公民館運動を元にした学習会を基盤とした地域活動を行っているもの、地域の商工会が一定の地域活動を展開している例やその他NPOによる活動などがあります。なかでも青年会などを基盤とした防災組織に消防団がありますが、これは各市町村において公的機関として位置づけられていて、特別職の地方公務員に準じる扱いとなっています。
消防団は地域の防災の中心的な存在ですが、大規模な災害に対してはそれだけでは十分ではなく、多くの地域においては、住民自らの自主的な防災体制が組まれています。自主防災組織とはいっても、いざというときの役割の重さから、災害対策基本法においては、自治体がこれらの組織を積極的に支援して、互いが連携しながら救援活動を行うことが求められています。
防災のための啓発活動や防災知識の普及、地域の防災拠点、防災のための救援道具の購入や整備、また地域住民の状態を知って、緊急時の支援体制の流れなどを予め訓練するなど、積極的な役割を担っているところも少なくありません。こうした役割の一端を民生員の方が担っていることもあり、地域に暮らしている以上、自らもその役割を担うといった心構えをもち、地域の様々な活動に積極的に関わる姿勢が福祉関係者には求められているのではないでしょうか。
小林雅彦著:「民生委員のための地域福祉活動実践ハンドブック」(中央法規出版)2011年8月刊