「災害弱者への支援-社会福祉の立場から災害支援を考える」2
2011年08月16日 09:30
【Q】
ハザードマップとはどのようなもの?
【A】
日本は四季折々の自然に恵まれる豊かな土地柄ではありますが、同時に自然災害の極めて多い立地にあることは、十分に意識しておく必要があります。大地震に津波、台風などの風水害に土砂災害、そして豪雪や融雪による災害等、年間を通じて常に大きな災害が想定されます。それだけに、事前の対応如何で、多くの人材の損失にいたるか否かに違いが出ています。
そこで、近年は自治体ごとに災害に対する備えを充実させるようになってきました。その代表的なものにハザードマップがあります。豪雨による堤防決壊時の浸水被害想定地域や土砂災害発生の危険区域等を予め地図に示して、住民に周知させるといったものです。今回の震災では津波の被害が大きかったことから、想定される津波の到達区域を明示したハザードマップも作られるようになってきましたし、また震災にあたっては地盤のあり方で被害が変わりますので、地盤の強度や地歴といったことを示したマップも作られるようになってきています。
財政力のある自治体では、各戸にこうしたハザードマップを配布して、住民自らにその暮らす住宅地の状況を知らしめていますが、そこまでいかなくとも、役所や公立学校、公共施設、公民館等にて地図を配布している自治体は多くあります。そこで、地域の防災情報について、よく確認しておくことは大切です。併せて避難所の場所や避難経路についても示しているものなどもあります。
小林雅彦著:「民生委員のための地域福祉活動実践ハンドブック」(中央法規出版)2011年8月刊