「災害弱者への支援-社会福祉の立場から災害支援を考える」1
2011年08月15日 09:10
【Q】
地域の防災力を高めるには、どのような視点があるのか?
【A】
阪神淡路大震災では、多くのボランティアが救援にかけつけ、ボランティア元年と言われましたが、災害時というその時に対応できるのは、近隣を中心とした地域の絆や地域の災害時への組織力しかありません。今回の震災でもそうでしたが、大きな揺れから津波の第一波までは、十分程度の時間しかありませんでした。被害を大きくしたのは、第二波や引く波でしたが、そうしたことも踏まえて、日頃から十分な知識を身につけ、相応の備えをして、さらには訓練を積んでおかないと、急な対応はほとんど困難でしょう。
先の震災後に、地域で大規模な避難訓練を行って、避難体制上の課題を詰めて改善するとの取り組みを行った自治体が幾つかありましたが、町の規模が大きくなるほど、こうした対応が疎かになるだけでなく、そこでは地域の結びつきも希薄です。
内閣府では、水害に対する地域防災力の診断指標を提示していますが、その他の災害でも参考になるものです。
1.監視警戒力、2.自主避難判断力、3.情報伝達力、4.避難誘導力、5.防災体制整備度、6.水害危険認知度、7.救助・救援力、8.水防活動度
福祉に関係した仕事をされているならなおのこと、自分が暮らす地域、そして職場のある地域において、これら8つの視点から、備えがあるかをチェックしてみてはどうでしょうか。
小林雅彦著:「民生委員のための地域福祉活動実践ハンドブック」(中央法規出版)2011年8月刊