再入院、生活破綻
2011年08月25日 09:30
【Q】
再入院しがち、生活が破綻しがちな通所者に対してどう対応すればよいでしょうか?
【A】
デイケアの多くの通所者は、さまざまな生活上の課題を抱えています。せっかく退院しても、服薬の中断などにより病状が悪化し再入院に至る例もあります。また、日常生活上のケアが不十分なために、在宅生活が破綻しがちな通所者もいます。
デイケアではグループ活動を中心としたプログラムが組まれていますが、グループのみで生活上の課題が解決するわけではありません。通所者個々のさまざまな生活ニーズに対応した、個別のケアやケースワークが必要となります。地域での生活を支えるサービスメニューがほとんどないと、デイケアが丸抱えで何でもやらざるを得ません。多職種でチームを組むスタッフは、さまざまなニーズに対してフレキシブルな対応を常に求められてきました。
例えば、どうしても服薬が不規則になりがちな通所者に対して、内服薬をデイケアで管理したり、デポ剤を活用したり、非定型抗精神病薬等への切り替えもなされます。さまざまな生活支援をデイケアが担わざるを得ない状況があるのです。
しかし、デイケアのスタッフが手持ちのカードだけで、すべての生活ニーズに対応しようとすることには元々無理があります。むしろ1つの医療機関で多くのサービスを賄うことは、通所者の生活を囲い込んでしまい、社会参加を狭める結果ともなります。スタッフは意識的に外部のサービスを導入し、通所者の生活と選択の幅が広がることを追及すべきでしょう。デイケアのスタッフ側が、圏域内の社会資源と連携して、ケアサービスの提供に積極的に関与していく必要があります。
出典:日本デイケア学会編『精神科デイケアQ&A』中央法規出版、2005.