通所中のけが
2011年08月22日 10:00
【Q】
通所者がけがをしてしまいました…。
【A】
デイケアでは、さまざまなプログラムが行われ、また、そこにはたくさんの人々の交流が生まれます。それらは通所者のリハビリテーションに効果的である一方、時にトラブルや通所者自身のけがにつながる場合があります。
活動中にしやすいけがを挙げると、(1)手工芸や調理実習など活動機器の取り扱いの不注意による切り傷、熱傷、(2)卓球などスポーツ中の捻挫、打撲、(3)施設内の家具や階段につまづいた際の転倒による打撲、擦り傷などがあります。活動中以外でも、自宅とデイケアの往復経路で、転倒したり交通事故に遭うこともあるでしょう。
どうしたらこれらのけがを防ぐことができるのでしょうか。そのためには、あらかじめ備品の整備や活動の手順、それからスタッフの配置などをマニュアルとして明文化しておくことが必要です。
実際に通所者がけがをしてしまった場合、施設内であれば、まず、医師や看護師の協力を得て手当てをします。施設内で必要な治療や検査ができない場合は、専門医につなげることが必要になります。その際、スタッフだけで進めずに、必ず家族にも連絡をとれるようにしましょう。また、施設外の場合、けがの程度にもよりますが、通所者に付き添って近くの医療機関を受診するとよいでしょう。
「第1に通所者の身体を考えて、備え、対応する」という心構えが、まずスタッフには必要です。だからといって、熱心さのあまり過保護になって、通所者が自分自身で対処する機会を奪い、地域や集団のなかで生きていく「力」を弱めるようなことがないよう常に心がけましょう
出典:日本デイケア学会編『精神科デイケアQ&A』中央法規出版、2005.