ケア会議の司会進行のコツは?(1)
【Q】
ケア会議の司会が苦手です。うまく進行させるコツを教えてください。
【A】
ケア会議の成否とそれにともなう責任は、本来参加者全員が担うもので、司会一人に帰すべきものではありません。しかし、司会のパフォーマンスが会議の成否に大きな影響を及ぼしているのも事実です。実際、会議にまつわる技術のうち、もっとも難しいといわれているのは、司会・進行の技術です。
今回と次回では、司会の機能と技術について説明します。はじめに司会に求められる役割を整理すると、大きくは次の8項目が挙げられます。
(1)時間管理、(2)目的の確認、(3)出席者の紹介、(4)発言者の制御、(5)意見の交流、(6)話題の制御、(7)結論と課題の整理、(8)次回会議の予定確認。
では、一つずつ見ていきましょう。
(1)時間管理
当然のことながら、司会者は会議の開始と終了時間を管理します。特に複数の事例を扱うケア会議の場合は、1事例に割く時間によって検討内容の深まりも異なってくるため、計画的な時間設定が求められます。
(2)目的の確認
ケア会議の目的は、事例の提出理由によって、受理、アセスメント、計画策定、交渉、評価などさまざまです。司会者は会議の目的を常に念頭に置き、目的に応じた結論に導けるように議論を制御することが重要です。
(3)出席者の紹介
困難事例や大人数でのケア会議の場合、参加者同士が初めて顔を合わせる場合もあります。お互いの緊張をほぐし、会議の成果を上げるためにも、司会者は自己紹介の機会をつくり、交流が促進されるよう努めることが大切です。
(4)発言者の制御
参加者の発言が冗長であったり過度に感情的になったりした場合、司会は発言を制御し、会議の方向性を保つ必要があります。また、職種や立場によって発言の偏りが起こらないように留意することも重要です。