要介護者と生活保護-その2-(3)
2011年07月21日 09:10
【Q】
生活保護における「住宅維持費」と介護保険の「住宅改修費」はどのように異なるのか?
【A】
介護保険制度では、階段や浴室、トイレに手すりをつけたり、段差を解消する、あるいは洋式トイレに改修するなりの住宅改修の費用が償還払い方式で利用できることになっています。償還払い方式とは、工事費用の全額を一旦利用者が事業者に支払い、後で還付を受ける仕組みです。生活保護費受給者の場合には、この方式での支払いが困難となりますので、福祉事務所に工事費用の見積もり書等の必要書類を提示し、給付決定を経て介護扶助として現金支給となります。生活保護受給者はこれを事業者に支払い、領収書を保険者に提出して還付を受けます。その還付金を福祉事務所に返済するという流れになります。
ところで、生活保護制度には「住宅維持費」の支給があります。これは家賃や地代、住宅補修費が対象とされるもので、このうち住宅補修費に関わる内容が介護保険の住宅改修費と重なることも出てくるかもしれません。それぞれに申請手続きを行わないとなりませんが、併給もあり得ますので、行政窓口で確認してください。
参考文献:六波羅詩朗編著・長友祐三・須藤昌寛著『改訂 ケアマネ業務のための生活保護Q&A』(中央法規出版)