要介護者と生活保護-その2-(1)
2011年07月19日 09:20
【Q】
生活保護受給者の場合、介護保険の在宅サービスの利用に制限はあるのか?
【A】
生活保護において介護サービスは基本的には現物支給となることはご存知のとおりです。必要な介護であってそれが要介護認定上も区分支給限度額の範囲内で認められるものであるなら、ケアマネジャーを通じて当人の理解を得て、在宅サービス事業者から提供されます。ただし、利用者負担分の費用1割のうち、本人に一部負担の能力があるとされる場合があります。その場合には、福祉事務所から交付される介護券にその旨が記載されているので、事業者はこの金額を本人から受け取る必要が出てきます。
ところで、本人が区分支給限度額以上のサービスを自己負担であっても求めたいとの要望がなされることもあるかもしれません。これについては、生活保護法の施行の趣旨から逸脱することになり、それだけの負担能力があるなら1割負担の額の全等、負担金額の見直しが行われてしまいます。しかし地域には、様々な社会資源がありますので、そうした支援をケアマネジャーが開拓してサービス利用につなげることは可能ですので、こうした情報を常々収集しておくことが支援者には求められます。
参考文献:六波羅詩朗編著・長友祐三・須藤昌寛著『改訂 ケアマネ業務のための生活保護Q&A』(中央法規出版)