通所者の恋愛
2011年07月26日 09:20
【Q】
デイケアの通所者同士が恋愛をしています…。
【A】
デイケアで通所者同士の恋愛はしばしばみられることがあります。恋愛は人としての尊厳に直接かかわることから、スタッフがどのように対応してよいか迷うこともあり、また各デイケアでの考え方や対応も異なります。通所者同士の恋愛をどのように考え、互いによい方向へ進むように私たちがかかわるためには基本的に理解をしておく事項があります。
それは、(1)最初に恋愛関係を肯定的に受け止めること、(2)恋愛関係が進むうちに起き得る注意点です。
「恋愛関係を肯定的に受け止める」ことは、非常に重要です。デイケアを利用する人は、年齢や疾患の違い、過去のキャリアや経験も異なります。また、仮に精神症状のために社会的交流の乏しさや不利益を経験したことがあるとすれば、デイケアで交流を重ねるうちに、異性に関心を持ち、恋愛感情が芽生えることはきわめて自然なことです。したがって、通所者から恋愛について相談をされたときには、まずはその自然な感情を肯定的に受け止めることが大切です。
「恋愛関係が進むうちに起き得る注意点」について、1つは、恋愛関係が進むうちに通所者の精神症状が悪化する場合があります。この要因としては、「薬剤に対する誤った知識の影響」「相手に振り回される」「妊娠」「他のデイケア通所者への影響」「交際中断後の影響」など、さまざまです。
デイケアスタッフには、どのような場合にも対応できるよう柔軟な考え方、姿勢が必要です。
出典:日本デイケア学会編『精神科デイケアQ&A』中央法規出版、2005.