脱水を防ぐポイント
2011年07月15日 09:10
【Q】
高齢者が脱水にならないために注意したいことを教えてください。
【A】
気温や湿度が高くなると、脱水によって救急搬送される高齢者が多くなります。
短期入院で退院されるケースが多いですが、病院という不慣れな環境や、脱水の症状である意識障害やせん妄などによって、これまで維持されていたADLが低下することがあります。そのため、日頃から脱水を予防するケアが必要だといえます。
1.温度・湿度の調整
温度や湿度が高いと、発汗量が増え、体温も上昇します。そこで、介護の現場でまずすべきことは環境の調整です。
2.衣服の調整
高齢者は衣服を重ねて着ることが多いようです。これは、前述の寒さを感じやすい人以外に、衣服をこまめに着脱することが困難な人でも見られます。
そこで、汗をかかない程度に衣服を整えます。それでも寒さを感じる場合は、膝かけやバスタオルなど調整しやすいものを使うことを提案します。
3.適切な水分摂取
私たちにとって必要な水分量は、1日2500ミリリットル程度といわれています。この量には食事から摂取する水分も含まれるので、食事以外に摂取すべき水分は、それより少なくなります。
大まかな目安として考えるならば、食事以外に最低でも1日1000ミリリットルは水分を摂取してほしいと思います。
出典:「知っておきたい脱水症の予防と対策」『おはよう21』2011年8月号、中央法規出版